カテゴリー:特集
2015.10.29
九州最西端に位置する五島列島は、古くから海外貿易の拠点として栄え、島内に数多く点在する教会群が2016年の世界文化遺産登録に向けてエントリーされるなど、歴史的価値にも富む地域です。
そんな五島列島ではEVを活用したスマートグリッドの実証試験が行われてきました。ICTを活用して、電力の需要と供給のバランスを調整し、送電量の制御や最適化。さらに、スマートグリッドにEVと高度道路交通システム網を組み込んで、総電力量の削減と電力需要のピークシフトまで行うことで「エネルギーの地産地消」を目指してきました。
経済産業省が推進した「長崎県EV・PHVタウン構想マスタープラン」に基づいて、長崎県内で500台の次世代自動車の導入を目標に進めています。その一貫として、五島列島に太陽光発電による充電ステーションを整備し、電気自動車(EV・PHV)を約200台導入し、観光振興等の地域活性化を進めてきました。
さらに、島々にEVと高度道路交通システム(ITS)を導入し、未来型のドライブ観光システムの構築に取り組む「長崎EV &ITSプロジェクト」を推進。地元の五島市や新上五島町に加えて、自動車メーカー、電機・カーナビメーカー、地場企業、 大学、関係団体などが参画して実証試験を行ってきました。
長崎県では、五島列島での実証試験の他にも、佐世保市にあるハウステンボスに開設された日本最大クラスの長崎次世代エネルギーパークなどの地域資源を活用したEVの導入モデルを構築。東京のような大きな都市だけではなく、日本の各地域でエネルギーとICTを組み合わせたスマートなエネルギー供給が進み、さらにEVのような次世代モビリティとICTを連携させることで、将来のモビリティの可能性が広がりそうです。
次世代自動車の導入に合わせて、急速充電器やITS車載器、それをネットワーク化するICTシステムといった、EV・充電インフラの利用を進めていけば、クルマが地域エネルギーシステムを支えるインフラとしても活躍できます。
SMCでは、こうしたクルマと情報・エネルギーなどの最新技術を紹介することで、人々にモビリティの将来像や夢を伝える「クルマとICT&E研究所」という展示スペースを用意しています。この機会に、未来のクルマの姿や楽しみ方をご体感ください。