第44回 東京モーターショー 2015

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【特集-6】誰もが「より自由に移動できる」ユニバーサルな社会へ

カテゴリー:特集

2015.10.27

【特集-6】誰もが「より自由に移動できる」ユニバーサルな社会へ

2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向けた、訪日外国人旅行者への対応が急務となっています。

日本政府観光局(JNTO)によれば、彼らの日本到着後の情報収集は、ガイドブックなどの紙媒体に加えて、同局ならびに旅行会社各社のウェブサイト、口コミサイト、SNSなどが利活用されています。いまや彼らの90%がインターネットに接続できる端末を持参しており、旅先でも日常的なコミュニケーションを行っているというデータもあります。

どうすれば彼らがスムーズに日本国内を移動できるのか? 国土交通省の対応の一つとして、訪日外国人旅行者のための道路案内標識の英語表記改善が挙げられます。例えば「六本木通り」は、外国人がタクシーなどに乗った場合に行き先を伝えやすいよう、通りの名称だけでなくその意味がわかるように「Roppongi Dori Ave.」と表記したり、「国会前」の表記は従来「Kokkai」という単なる日本語のローマ字表記だったものから、「The National Diet」と表記修正しています。

それに加え、さらにその先の未来を見据えた取り組み、すなわち外国人訪問者はもちろんのこと、高齢者・障がい害者をはじめ、誰もがストレスなく、より自由に移動できる「ユニバーサル社会の構築」に向けた対応に期待が集まっているのはみなさんもご存知かと思います。

2014年の「ICT(情報通信技術)を活用した歩行者移動支援の普及促進検討委員会」では、訪日外国人旅行者の移動に関するデータを民間に対しても開示(オープンデータ化)し、さらなるサービス拡充のために活用できるように促しています。

また、総務省・東海総合通信局は、2014年1月に観光振興に役立つICTの利活用を通じて、中部北陸圏への海外からのインバウンドを推進する「昇龍道プロジェクト」に協力することを宣言し、Wi-Fi環境の増設や観光施設や宿泊施設における多言語対応なども促しています。

同じく中部の愛知県豊田市では、EV・PHV・FCVを中心に次世代型低炭素交通システムを構築する「Smart Melit(Smart Mobility & Energy Life in Toyota City)」という実証プロジェクトを2014年11月からスタート。ITSの活用やスマートコミュニティ基盤の整備を活用して、「クルマと人が世界一うまく共生できるまち」を目指しています。これはITSスポットによる主要道路・観光情報などの提供に加えて、QRコードを使って情報にアクセスできる環境を構築することで、誰もが「より自由に移動できる」ユニバーサルな社会を実現しようとする試みです。

SMCでは、未来の街にある駅をイメージした「ステーションコア」や、クルマと人の共生を目指すパーソナルモビリティ研究の最先端技術を紹介する「パーソナルモビリティ研究所」といった展示を通して、これら2020年を見据えた国際化の一端であるICTの活用法や多言語対応、高齢者や障がい者に対する安全・安心対応など、日本が目指す「未来における人とクルマのコミュニケーション」を体験していただけます。