第44回 東京モーターショー 2015

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【特集-4】スマホがカーライフを快適に

カテゴリー:特集

2015.09.07

【特集-4】スマホがカーライフを快適に

2007年にiPhoneが登場し、翌年に誰もが自由に使える形でアンドロイドOSが発表されたことにより、スマートフォン(以下、スマホ)は急速に私たちの暮らしに浸透している。アメリカでは、自由な時間のうちの約半分もスマホを見て過ごすというデータがある。世界でも、この数年間で全人口の8割がスマホを持つと予測される。日本でも、SIMカードの自由化などで、さらに普及率が高まると予想される。

今現在、スマホをカーナビ代わりに使っている人もいるだろう。ナビゲーションアプリを使えば、クラウドの向こうにある無限のデータと計算能力を手頃な価格で利用できる。

走行中も安定した回線が確保できるインフラが構築されたこともあって、スマホのセンサーからの情報をクルマが利用する動きが進んでいる。また、アプリを組み合わせることで、さらに可能性が広がる。例えば、目的地の周辺情報をスマホで検索し、美味しいレストランの情報をカーナビに転送して目的地をセットする。スマホにある住所録から引用してカーナビに目的地をセットしたり、スマホに入っている曲をカーオーディオで再生したり、 その情報をSNSに投稿することもできる。一連の操作をスマートウォッチと連動させる技術の開発も進んでいる。

このように、クラウドや通信インフラといった周辺の環境が整ってきたため、クルマを離れたあとに窓を閉めたか心配になったり、広い駐車場で自分のクルマを見失ったりしても、スマホがあれば窓の開閉やドアロックの状況を確認したり、ランプを点灯して自車位置を知らせるなどは朝飯前だ。EVなら、家を出発する時間と目的地をスマホでセットすれば、出発までに十分に充電できるかがわかる。 また出発時にあわせて快適な室内温度にしておくこともできるのだ。

遊び心のあるところでは、クルマを運転するときの加減速やコーナリング時のGの変化を元に作曲するアプリもある。曲をクラウドにアップして共有できるので、人気も高まっている。また、目的地までの経路を検索するアプリのなかには、クルマ、電車、自転車、タクシー、カーシェアなどの多様な交通機関を使う経路が表示されて、到着に要する時間やCO2排出量が表示されるものもある。

スマホを使ってインターネットとつながることで、クルマと人とビッグデータとがつながっていく。さらには、クルマが人や都市とインタラクティブにつながることで、交通渋滞の回避につながる情報や最新エンタメ情報の獲得など、より快適で楽しいカーライフを実現できる。さらにクルマとスマホの関係性が深まり、活用の幅が広がっていけば、スマホが自由に高速移動ができる情報端末として、 クルマが災害時などの新しい情報インフラのひとつとして、それぞれ重要な役割をも担うに違いない。

SMC2015では、「ステーションコア」にてマルチモーダルやカーシエアリング等、スマホなどを使った新しいクルマの活用の仕方をご紹介。また「クルマとICT&E研究所」ではビッグデータやクラウドコンピューティングを活用したコネクテッドカーとそれらが生み出す各種サービスの可能性を紹介する。